すばらしき世界
Knotをはじめて10年目。
いよいよ花嫁として、その朝を迎えました。
「すばらしき世界」と名前をつけた結婚式。
自分の視点ひとつで世界は見違える。そう信じる私たちは、お互いに影響し合い、さらにはたくさんの人のおかげで新しい世界をが広がって。ふたりが生きるこのすばらしい世界は、「あなた」によって作られているんだと、感謝を形にする日を叶えたいと思いました。
そして、結婚式の日を過ごしその人の世界がさらに美しくなる。そんな機会を届けることを、大切に思い続けました。
会場に選んだのは大阪中之島美術館。
結婚式の場所として前例のない新しさ、モダンで洗練された空間美。招待を受けたたゲストの高揚感も想像し、胸が高鳴る場所でした。
何より、世界中を旅した彼が一番愛す街はやはり生まれ育った大阪であることが、場所選びの決め手となりました。
当日、会場の支度が整うとドレスコードである「ブラックフォーマル」の装いに身を包むゲストが続々と到着。まるでレッドカーペットの祭典のように全員が主役のよう。
Knotメンバーがお迎えする受付を進み、ONZOROのオリジナルドリンクを片手に式の時を待つ。
結婚式の始まりはパッサージュの大階段で行う挙式から。吹き抜けになっている為、ゲストが360度囲む形で参列できます。
BGMはあえてなし。式の厳かさと、話す言葉に向ける集中力、響き渡る拍手を想像し、思い切ってそう決めました。
両親のエスコートで入場する私は、SaboraMiのジャンプスーツにウェディングベール。
当日までデザインを知らなかったブーケは、花屋であるSHAMROCKの皆さんが「花」を一切使わず形にしてくださった、布でできたブーケ。一生忘れない感動の贈り物でした。
父と母の手のぬくもり、Knotメンバーから向けられた願い、彼の愛情深い視線、どこからも聞こえる優しい拍手や歓声。全ての瞬間が忘れられない温度で刻まれる挙式の時間。
その最後は、真っ赤な紙吹雪で締め括りました。
まるで銀河の星々のように並んだ前菜をぱくりと口へ運んでパーティーの開始を待つ。
私たちのことを月と太陽だと表現したONZOROのおふたり。それらが照らす星々として、この美しいビュッフェを見事に形にしてくださいました。
青く光るパーティー会場は、初めてここを訪れた時に頭の中で描いた景色がしっかりと形に。
花を一切使用できない条件下で、シンプルだからこそ難しい会場作りをチームで叶えることは、Knotとしても大きな挑戦でした。当たり前にあるものがないからこそ新しさを生み出せること、それを確信できた機会にもなりました。
ちなみに、迎賓・挙式・パーティーと、時間ごとにあえて空間を色分け。黄、赤、青と移ろうそれらは、旅する気分を味わえるよう、コントラストをつけて演出。私たちなりのささやかなこだわりでした。
会場の席につくと、それぞれの席にはギフトボックス。
贈り物に選んだものは私たちが愛用するLuftの柔らかい革の文庫本カバー。旅に欠かせない文庫本をシンプルで上質な手触りで包む、至福の「旅読書」を叶える贈り物。
選書は自分たちのお気に入りの本を、そのイメージに合うゲストの箱へと贈り分けました。
暗い会場にスポットライトが灯り、スピーチからパーティーが始まる。この日だからこそ受け取れる大切な方からの言葉は、何よりの贈り物だと改めて感じました。
乾杯と共に一気に音楽が賑やかに鳴り響く。bohkyohの生演奏は、とっておきの時間を演出。
パーティー中、それはそれは楽しく盛り上がり全員が思い思いに時間を過ごす、まさに「大人の子供時間」でした。
初めての人同士が手をとり踊り出し、ワインボトルを片手にあちこち席を回る人も。様々なところで始まる撮影会。隣のテーブルも巻き込んで大きく乾杯している様子も幸せでした。
これが予定不調和、結婚式のドラマ。
それを思い描き、余白を準備しておくことが私のウェディングプランナーとしての楽しみと期待。それを確信できた景色になりました。
パーティーの後半は彼が一番楽しみにしていたバンド演奏。もちろん出演。
生き生きした本気のライブはかっこよくて、会場に大きな一体感が生まれました。まさに、大人の青春でした。
最後は、両親への贈り物。
この日にしか届けられないもの、それは心からの言葉と全員から贈られる労いの拍手なのだと確信していました。
結婚式は、両親の人生におけるかけがえのない1ページでもある。だからこそこの光景を心にぐっと刻んでほしい、そう願いを込めました。
大きな拍手に包まれながら会場を後にすると、最後に一本の映像が。
それは結婚式までの日々や前日からの準備風景など、作り手にフォーカスしたもの。
このエンドロールを制作してくださったCOMELの村岡さんは、以前私たちへこんな質問をしました。
「結婚式の最後、どんな景色を残したいですか?」と。
結婚式やその道のりには「見えない感動」がたくさんあります。
人生を見つめること、家族と向き合うこと、作り手の情熱、寄り添うあたたかさ、諦めない葛藤、計り知れない達成感。
だからこそ、最後に見せたいものは「見えないもの」でした。
私は自分自身のそれを経て、また結婚式に感動させられました。
そして、この仕事を誇りに思いました。
誰もが人生でこの瞬間を味わうべきなのだと、使命を感じるようでもありました。
私たちの世界をさらに美しく魅せてくれた、結婚式。
「すばらしき世界」は、また大きな扉を開きました。
Photo 松下航也
Movie COMEL
MC 齋藤涼子
PA Shape
Music bohkyoh
Hair 平岡めぐみ・澤村康子
Make 藤本佳奈子
Dress & Styling SaboraMi
Bouquet SHAMROCK
Catering ONZORO
Service nano human promotion
Venue 大阪中之島美術館
Special Thanks!
イケダマサヤ・市田勝宏・浦地健人
Produce by Knot
安藤歌那・安達麻由・粟森未久
佐村麻祐子・松浦和佳・門出みなみ・石川桜